色んなロジカルを並べても現実は覆らなかった。
どんな対策と修正をしてもどうにもならない相手だった。非現実的な強さが現実だった。
これで9ポイント差。
他のチームがこの結果を受けて奮起してくれることを期待するしかないのか。
グランパスは433。CBに中谷選手、サイドは前田選手とマテウス選手。1トップは山﨑選手。中盤3枚にして数を確保。
フロンターレも433。前回対戦から変更なし。
試合の入りは良い。手数をかけずクロスを入れるのも。フロンターレはそれでも流れを完全に持っていかれない。相手とは逆のリズムやテンポで展開をコントロールしているように見える。グランパスが手数をかけず攻めるなら、フロンターレはきっちりボール保持して丁寧にビルドアップしていく。CKやFKを獲得すればそれを連続して流れを引き戻すのはセットプレー自体の強さが表れてる。これも相手と逆のことをして流れを持って行かせないようにしているように見えた。グランパスが保持して押し込もうとするならフロンターレはセットプレーを続けて飛び道具でゴールに迫る。
このあたりにどんなロジカルも通用しない感覚がある。同じ土俵でも立つまでの時間とルーティンをズラしてから立つから何をしても流れが一区切りする頃にはフロンターレが優位な展開になっている。
そうしてから相手の弱い部分を的確かつ冷静に冷酷に狙って得点を重ねる。
フロンターレの2点目は素でエグい。両SBなんなんだよ。
マテウス選手を大外まで釣り出して内側レーンにスペース創出。山根選手が持ち上がり。ここでマテウス選手と長澤選手をかわしたのが上手い。グランパス的にはそこを侵入されてはいけないし、むしろそこで奪えばカウンターのチャンスまであったかも。でも後ろにシミッチ選手がいたからどうかな。
少しパスがズレたところも奪えるチャンスだったけどインテンシティが甘くなった。
守る側からしたらSBが持ち上がることで誰が誰につくのか曖昧になった。そこが隙になる。登里選手がそういうのを見逃さないワンタッチで速いパスを三笘選手に出す。驚異的な選手に時間的余裕と質的優位性を発揮させる1対1の局面を作る。それだけに留まらずハーフスペースに侵入してマークのズレとカバーに行きづらくさせる、というよりこれも誰が誰につくのか曖昧どころかカオス。しかも三笘選手が突破するためのスペースを潰さないところで止まるし。こういう部分に今までの守備が通用してないと感じた。曖昧にされるとついていけない。
三笘選手に対しては必ずと言って良いくらい数的優位で守らないといけないのにいけてないサイドの攻防に目が行きがち。だからもう1人の偽SBを見失う。その間、山根選手はというと中谷選手と丸山選手の間にいる。持ち上がったまま前線に残る。両SBが同時に偽SBやってる。ポジションを離れて前線まで上がることをそう言うのかはさておき。
通用していないと言うとこれまでを否定しているようだな。違くて、フロンターレがそれを超えてくるのだ。それもさも当たり前のように。
厳しい試合展開の中でこれからの光明もあったけれど、なんでそれを最初からやらなかった・・・・・・と思ってしまう。でもそういう思い切りの良さってのも難しいんだろうな。どちらに転ぶかなんて始まってみないとわからないし、それこそ前回のように入りに失敗すると取り返しがつかないし。
何にせよ、右サイドでのマテウス選手と森下選手の組み合わせは相手を押し込む推進力が一番発揮されていたのが明らか。数字も出た。
じゃあこれがファーストチョイスかと言うとそうでもないのかも。相手と展開によりけりか。
先制を許してからの攻撃に幅がないので1つの選択肢としては大きなものになるはず。
次はセレッソ。
地獄のような2連戦を経て果たして変化はどう出る。
また同じ場所に帰るのか、非現実的な相手をそれでも追いかけられる一歩を踏み出せるのか。
まだ戦えるよね。